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swk's log - 不正アクセス禁止法の曖昧性

2005-03-27

* 不正アクセス禁止法の曖昧性 [tech][misc][education]

不正アクセス禁止法には,不正アクセス行為を「アクセス制御機構によって制限される利用のうちの一部」を侵す行為と解釈するか,「全部」を侵す行為と解釈するかの曖昧性があって,前者だとすると当然適正なはずの操作が不正アクセスになってしまい,後者だとすると当然不正なはずの操作が不正アクセスではなくなってしまう,という話.

思うのだが,ここに出て来る∀と∃とか,ほかには必要条件・十分条件とか,帰納法とか,そういう概念は高校辺りで「数学とは別の独立した科目として」教えるべきだと思う.そして理系文系関係なく,当然必修すべきものと位置付けるべきで,もちろん大学入試でも事実上必須とするべきだ (そもそも今のご時世,理系文系の区別ってどうよ,てのは置いとくとして).

上記からたどって行った先にある議論 の中に

一般に「理系的」思考では

とあるけど,これが理系的と分類されてしまうような教育体系に問題があると思う.微分積分が分からなくても,それが必要な主題を扱わない限り特に困ることはない.しかしこういう論理的な概念は,およそ知的な議論を客観的に行うためには常に必要なはずだ.「あ,俺数学分からないから」といって逃げられようでは(逃げることを許すような教育体系では)困るのだ.

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[2006-06-07-1] 論理がわかってない人々について

最終更新時間: 2009-01-04 15:31


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