文字板に何も印がない時計が傾いていたときに,傾いているかどうか判断できるか否かという問題.解答をピックアップして頂きありがとうございました.
というわけで勝手に雑感を述べてみる.
結城さんの模範解答は,ボトムアップというか,一切想像をはたらかせることなく数学的に納得することができる.その代わり,要するにその裏で何が起きているのか,何がミソなのかは,読んだだけではたぶん分からない.
(分かる人は相当鋭い)
その他の紹介されている解答は,私のものも含めて,トップダウンと言ってよいと思う.その代わり想像というか常識的直感に頼る部分があって,読者によっては「それって本当?
私の解答 (「かがみさんの解答」というやつ)
短針・長針の回転速度は変わらない ⇒ (a)
あるひとつの時刻で傾いているかどうかが判断できない場合,その置き方をしている限りは他のいずれの時刻でも判断できない
というのは自明としてよいのか,ちゃんと証明できるか,という指摘であった.
自明だと思ったのであの解答をお送りしたわけだが,これを手抜きせずにちゃんと証明するのは意外と面倒くさい.結局,結城さんの解答と本質的に同等なことをやる必要があった (もっとも私が結城さんにメールで送った証明(*
つまるところ何なのかというと,直感的に分かりやすいというのと,記述が正確であるというのを,冗長にならずに両立するのはなかなか難しい,ということなんだと思う.これってこういう数学系のネタに限らず,ものを書くこと,話すことなど,広くプレゼンテーションと呼べるもの全般に当てはまる.
もっとも,これらを非冗長に両立させることが常に必要とは限らないんだけど.冗長であることが功を奏す場合もあるし,正確さを切捨てた方がよい場合もある.分かりやすさを切捨てて得な場合は…あるかな?
(*
[定義1]
(θ_
[定義2]
[定義3]
[補題]
[証明]
左辺 =
(ただし [x]
[定理]
[証明]
(s/
を指している.その時点のτ分後 (τは実数であり,負でもよい)
(((s/
を指す.補題よりこれは
((s +
に等しい.このとき定義3 における等式が t =
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